【図説】タトゥーニードルの選び方

【図説】タトゥーニードルの選び方

「35/05RL」、「1205/RS」、「30/07MGLT」など、タトゥーニードルのサイズ・種類の表記はメーカーにより表記方法や順番が異なるものの、原則は同じ内容が表記されています。また、カートリッジニードル、バー付きのクラシックニードルでも表記されている内容は同じです。
一度覚えてしまえば難しいことではありません。本記事では、タトゥーニードルの表記や基本的な用途について図も交えて解説してまいります。

タトゥーニードルの表記の基本は [太さ] / [本数] [形状]

タトゥーニードルは1本1本のバラの針を、多様な本数、形状に組み上げて構成される。
表記は針1本1本の太さ、組み上げた本数、組み上げた形状、針1本1本の尖らせ具合を表す。

針の太さと本数

“mm(ミリメートル)表記”、“ゲージ”表記の違いはあるものの、一般的には先頭2桁の数字は針1本1本の太さを表す(下の画像赤のの部分)。ここでは記載しないが、0.25mm未満、0.40mmより太いものも存在する。
09 ゲージ= 0.25mm(25)
10 ゲージ= 0.30mm(30)
12 ゲージ= 0.35mm(35)
14 ゲージ= 0.40mm(40)

太さの次に表記されている数字は「本数」を表す(下の画像緑のの部分)。つまり、
「35/05」は「太さ12 ゲージ= 0.35mm(35)の針/本数5本」で構成、
「30/07」は「太さ10 ゲージ= 0.30mm(30)の針/本数7本」で構成


針を組み上げた形状

太さ・本数に続くアルファベットは組み上げた針の形状を表す(下の画像青のの部分)。

タトゥーニードルの形状基本の4種

多様な形状が存在するが、基本は「RL」、「RS」、「MG」、「SEM」の4種類。

RL:ラウンドライナー(Round Liner)

丸く組んだ針の先端を絞って細く組む。ライン・スジ・ドットのタトゥーイングに用いられる。

RS: ラウンドシェーダー(Round Shader)

RLと違い、丸く組んだ針の先端を絞らず広がった状態で組む。狭い部分のシェーディング・ボカシや太いラインのタトゥーイングに用いられる。

MG:マグナム(MaGnum)

別称:M1(MaGnum1)。2段に互い違いに組んでいる。シェーディング・ボカシやパッキング・ツブシに用いられる。

SEM :ソフトエッジマグナム(Soft Edge Magnum)

別称:RM(R Magnum)、CM(Curved Magnum)。MGの針の端(エッジ)を丸く、ソフトにした形状。シームレスなシェーディング・ボカシに用いられる。

他にも沢山の形状

FL:フラット(Flat)

針をフラットに組んだ形状。

SS:スムースシェーダー(Smooth Shader)

針をフラットに隙間を開けて組む形状。MGの1段のみ。

M2:マグナム2(Magnum 2)別称:スタックマグナム(Stack Magnum)

MGを隙間なくぎっちり組ん形状。

ERL:エンプティーラウンドライナー(Empty Round Liner)

別称:ホロウポイントライナー(Hollow Point Liner)
RLの真ん中、芯になる針を抜いた形状。

針の尖らせ具合”テーパー”

メーカーによっては針の1本1本の尖らせ具合=テーパーを表記しています(下の画像ピンクのの部分)。LT:ロングテーパー、MT:ミディアムテーパー、ST:ショートテーパーなどと表記がありますが、何mmがロング、ショートなどの規格があるわけではなく、あくまでメーカーの相対的な表記です。

変態級?!モンター級!!

変態級ともいえる、123本の針で構成された「12123 Magnum」や、88本の針をドームのように組んだ「88 Domed Edge Round Shader」、梅の花のような「Plum Blossom 18 Round Shader」、03RLのニードルを5本並べた形状の「5×3 RL Magum」など。Ink Claw社からもワクワクにアーティスト心をくすぐるタトゥーニードルも製造販売されています。

↑ INK CLAWのニードル一覧

動画

下記動画でも、タトゥーニードルの基本についてご紹介しています。

終わりに

タトゥーニードルの選び方の基本について解説しました。
ライナー用のRLで陰影を表現したり、MGでライン状のタトゥーイングを行ったりと、そのテクニックはアーティストのアイディア次第で計り知れません。基本を押さえた上で、多彩なテクニックを発揮してください!

Writer:

KUW
-刺青・タトゥーを愛する中年-
最近10年ぶりに新たなタトゥーを増やしました。部位は二の腕内側、脇に近い部位で、古い知識で痛みに大いにビビっておりましたが、想像よりはるかに痛みがありませんでした。タトゥーアーティストさんの技術、機材の進化の賜物なのでしょう。