タトゥーマシンの商品名や商品説明欄にある、「ストローク長」、「針深度」。この違いについてお問い合わせをいただきます。本記事では、ペン型のタトゥーマシンを例に図も交えて解説してまいります。
“ストローク長”・“針深度”って何?

“ストローク長”とはドライブバーが前後(上 下)する幅
“針深度”とはタトゥーニードルが突出する長さ・深さ
端的に表現するとこのようになります。では、カートリッジニードル、タトゥーマシンの構造を簡単にまとめつつ、もう少し詳しく解説します。
タトゥーカートリッジニードルの構造

バネのような役割も果たす主に伸縮性のあるシリコン素材の安全膜(メンブレン)が取り付けられたカートリッジバーが前(上)に押し出されることにより、ニードルがチップ部分から突き出される。
カートリッジバーへの押し出す力が解放される事により、元の位置にカートリッジバーが戻り、連動するニードルも後(下)へ引っ込む。
マシン(カートリッジニードル用ペン型マシン)の構造

タトゥーマシンとはタトゥーニードルを前後(上下)に動かすための製品
マシン内部のモーターの回転がドライブバーの前後(上下)運動に繋がり、カートリッジバーを押し、ニードルを前後(上下)に押し出す。モーターが回転を繰り返す事により、ドライブバーが前後(上下)運動を繰り返し、ニードルの前後(上下)運動に繋がる。
ドライブバーが前後(上下)する幅(長さ)= ストローク長
ストローク長の違いによるタトゥーイングテクニック
各タトゥーマシンのメーカーが様々なストロークの違うマシンを製造販売しています。中にはストローク長を調整できるマシンも存在します。
3.5mmを基準とし、それより長いものがライニング向け、短いものがシェーディング、ボカシやパッキング、ツブシ向けとするタトゥーマシンメーカーが多いです。
・3.0mm以下:シェーディング、ボカシ向け
・3.5mm : オールランダー、万能タイプ
・4.0mm以上:ライニング向け
〇〇向けタトゥーマシンなどのメーカーの意図はあるものの、ドット状のシェーディングを行うスティップルタトゥーなどは、ライニング向けの長めのストロークマシンを使用するなどタトゥーアーティストやテクニックにより、タトゥーマシンの用途は様々です。
スティップルタトゥー(Stipple Tattoo)作例

針深度

殆どのマシンは、グリップ部分を回す事により、調整が可能。グリップを緩めるとカートリッジニードルは前(上)に、グリップを締めると後(下)に位置する。
マシンのドライブバーが同じ位置であっても、カートリッジニードルの位置を前後(上下)に調整する事により、ニードルの突出する長さが調整可能。
チップから全くニードルが突出しない状態が針深度0.0mm。
チップからニードルが突出する長さ・深さ = 針深度
ストローク長が選べるオススメマシン
■Cheyenne|SOL Nova Unlimited|ブラック|2.5|3.5|4.0|5.0mm ストローク

Cheyenne社製|信頼感抜群のタトゥーマシンメーカー
充電式のバッテリーで動作するワイヤレスマシン
4種のストロークによるラインナップ
●2.5mm – The Beauty – 特に優しいシェーディングと、デリケートなボディパーツへの慎重な作業に適しています。
●3.5mm – The Generalist – ライニングとシェーディングの完璧なバランスを提供し、このシリーズのオールラウンダー。
●4.0mm – The Specialist – ライニングとカラーパッキングの理想的なバランスを保証。
●5.0mm – The Beast – 素早く、最も効率的に作業したい方に最適。ビーストはライニングを全く新しいレベルに引き上げます。
■CRITICAL|TORQUE PEN MACHINE | FULL SET|3.5|4.2mm ストローク

CRITICAL社製|絶大な人気のパワーサプライメーカーによるマシン
・美しいディスプレー装備で操作性抜群
・ワイヤレスフットスイッチとBluetooth接続が可能
ストローク長が調整可能な次世代マシン
■Cheyenne|HAWK PEN UNIO|2.5-4.0mm無段階ストローク調整可

Cheyenne社製|か2.5 mmから4.0 mmまでストロークを連続的に調整可能な機能を持つペン型タトゥーマシン
■EQUALISER|WIRELESS Neutron2|ブラック

EQUALISER|2.6~4.0 mmストロークを自由に調整できるため、テクニックやスタイルに関係なく、正確な作業が可能。
おわりに
簡単ではありますが、タトゥーマシンにおけるストローク長・針深度について解説いたしました。
近年SNSなどを通じて目にするタトゥーアートの進化、タトゥーアーティストの湧き出るアイディアを拝見し、日々驚喜しております。
多くの可能性を秘めたタトゥーマシンを駆使したアーティストの皆様のオリジナリティ溢れる作品を目にする機会を楽しみにしています。
Writer:

-刺青・タトゥーを愛する中年-